農家の本間さん
最近ずっと、「コーヒーかす循環プロジェクト(仮)」について考えています。
夏の終わりからコーヒーかすの堆肥化を行っていますが、NIJIYA coffeeの商品そのものになるべくゴミを出さない循環の仕組みを取り入れたいと思い始め、その実験をしている最中。
最終的には、お客さまからコーヒーかすを回収して、それを堆肥化。
さらにそれを使って農家さんに野菜を栽培してもらって、その野菜をお客さまに還元できないかな、とか妄想していたのですが。。
先日、無事終了したMokuRinFes.のことで都岐沙羅パートナーズセンターさんに伺ったときに、本間正栄さんという農家の方と偶然お話しする機会がありました。
本間さんは、朝日地区で大規模に農業を行っていて、独自のアイデアでこれまでいろいろ先鋭的なことに取り組まれてきたそう。
これはチャンスかもしれない!!!と思って、今私が考えている「コーヒーかす回収で野菜を届けたいんですー」という話をすると、
「そんなのは全然やるけど、そんな少ない量なら燻製のクッキーにして話題にすればいいんじゃない?」
とアドバイスをいただきました。
燻製クッキー???
コーヒーかすをスモーク用チップの代わりにして、燻製にし、コーヒーの風味のついたクッキーを作る。
クッキーじゃなくてもいいけど、コーヒーに合いそうだからとのこと。
その発想、全然なかった。。
燻製クッキー、作ってみた
本間さんに「フライパンでできるよー」とアドバイスいただいたので、早速実験してみました。
きっと、サクサクのクッキーにほんのりコーヒーの風味と色がついて、絶対おいしいよね♪
とポジティブな予想。
【今回のやり方】
①深めのフライパンにアルミホイルを敷いて、
②その上に乾燥させたコーヒーかすを置き、
③その上に金属製のザルを置き、
④ザルの中にクッキーを並べ、
⑤フライパンの蓋をして火にかける
⑥15分ほど弱火で加熱
フライパンでの燻製の仕方を軽くネットで調べ、量や時間は完全に自己流(適当)です。
コーヒーかすで燻製している事例はあるにはあったのですが、そこまで広まっているわけではなさそうで、ネットで検索した限り、実践している方も限られている印象。
まずは、できるのか?
そして、美味しいのか?
が知りたかった。
クッキーは不二家の「ショートブレッド」と、比較のために日清シスコの「ココナッツサブレ」を使用しました。
結果、
「悪くないんだけど、思っていたのとなんか違う。」
なんていうか、しっとりしていて、途中見た目で「失敗だな。」と思いました。
実は加熱している最中に、フライパンの蓋に水滴がついていて、、
この時点で、コーヒーかすの乾燥が足りなくて水分が出たんだ、と気づきました。
サクサクが前提のクッキーは、当然ふにゃふにゃになっていて。。
特にココナッツサブレの方は、持ち上げて折り畳めるくらいふにゃんふにゃん。
途中、蓋を取って水滴を拭いたりしたので、煙も外に逃げちゃったり、、
というか、水分多いせいで煙出てなかったかもしれない…
当初、30分くらい加熱の予定だったのが、結果15分で終了になりました。
ふにゃふにゃクッキーになってるけど、蓋とって冷ましながら、ちょっと置けばまたサクサクになるかもしれない!という希望を持って、しばらく置いてみたのですが、やっぱりなんかしっとりしてる。。
(一日置いたら、ちょっとクッキーっぽさが戻って逆に美味しく感じました!)
肝心の味ですが、これも「うまい!!!」となるでもなく、知らない人に出したら「食べて大丈夫なやつ?なんか焦げくさくない?」と言われそうな微妙な風味。
当然、若干色づいて、コーヒー風味は感じるのですが、しっとりの食感と市販のクッキーの変な脂っこさと変な甘さを引き出したようで、そのままならおいしいクッキーに手を加えるということの愚かさを知りました(多分、やり方次第)。
いや、スモークってこういうことなのかな…
単に、スモークされた食材に慣れていないだけの可能性も。
反省点
・そもそも燻製することじたい初めてなのに、ちゃんとやり方調べてなかった(自己流すぎた)。
・コーヒーかすの乾燥の重要性をちゃんと認識してなかった。レンチンするとかして、ちゃんとカラッカラになるまで乾燥させるべきだった。
改善の余地
・ちょっとしつこさを感じたのは、コーヒーかすの量が多すぎたのかもしれない。
・手作りのクッキーなら違うかもしれない。
・クッキー以外で、コーヒーと相性の良いものがもっとあるかもしれない。
・コーヒーかすと通常使われる燻製チップで比較する必要もあるかもしれない。
・調理器具、時間、火加減など他の条件もね!
など、いろいろ条件を変えてやってみる必要がありそうです。
いろんな人の感想も聞きたいので、今度やるときは手作りクッキーで再度トライしたいと思います。
循環とか、すでにやってらっしゃる
本間さんによると、大手のコーヒー業者から出る大量のコーヒーかすは、養豚の餌として混ぜられたり臭い消しのために使われていて、利用価値があるしお金をちゃんと払って買い取られているんだそう。
知らなかった。。
めちゃめちゃ目から鱗。
私の考えるレベルのことは、もうとっくに実践されていらっしゃる。
というか、純粋にすごいなぁと尊敬してしまう。
もう、どの企業も自社の利益の追求だけでなく、環境への配慮が当然求められる時代。
実際は「やらないとイメージダウンにつながる」という理由で、環境問題と向き合うことが多いのではないかと推測されます。
でも、農業など自分ではコントロールできない天気に左右されながら土に触れ、美味しい作物を作るという仕事をしていると、きっと自然環境のことを我が事として捉え、ナチュラルに配慮できるんだろうなと思いました。
いや、本間さんがすごいのかもしれないけど。
クリエイティブな人って、職業を問わず実は身近にすごく多いな、と最近特に思います。
そして、すごく楽しそう。
本間さんは、余った野菜たちを時々周りの人たちにお配りしているみたいで、この日、私も新鮮な里芋とにんじんを大量にいただきました!
にんじんは「キャサリン」ていう名前?品種?なのか、本間さんがそう呼んでいて、すごく可愛がってるのが伝わる。にんじんだけで5種類も育てているそうです。
里芋は、面倒な皮剥き処理がされた状態で袋詰めされていて「冷凍保存できるし、煮物には解凍せずにそのまま使えるよ」と教えてくださいました。
天才。
そして、めっちゃ美味しかった。
本間正栄さんの野菜、
村上市内の原信とかウオロクとかの地元農家さんの野菜コーナーで売られていると思うので、よかったらチェックしてみてくださいね。
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